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職場にいる「攻撃的な人」とどう付き合うか———医療系YouTuber Nバクさんインタビュー

見出しタイトル

気の合う人と、阿吽の呼吸で働けるような職場がいい。でも、現実の職場には「ちょっと苦手だな」と感じる人が、いるものではないでしょうか。

今回のAgendは、職場のコミュニケーションについてYouTubeで発信しているNバクさんにお話を伺いました。

トゲのある人との付き合い方———ここに悩んでいる方は、ぜひ最後の「まとめ」までお読みいただければと思います。

Nバクさん
Nバク

働き方やキャリアについて発信しているYouTuber。15年の看護師臨床経験と管理職経験を生かし「働くナースに捧ぐ」というキャッチコピー通り医療従事者に向けて発信しており、他業界からも多くの支持・共感を得ている。

フジイユウジ
【Agendインタビュアー】 フジイユウジ

Agend編集長。
スタートアップや様々な事業の経営やグロースに携わる中で、事業を成長させるためのチームコミュニケーションに興味を持つようになり、仕事のコミュニケーションメディア「Agend」を立ち上げた。

あなたの職場に「攻撃的な人」はいますか?

フジイユウジ
Nバクさん、よろしくお願いします。
YouTubeの動画、どれも面白いですよね。「職場のコミュニケーション」について、誰もが共感するように丁寧に説明されていて。

ありがとうございます。
看護師が仕事でぶつかる壁の乗り越え方をYouTubeで発信していたんですけど、フジイさんがおっしゃるように色々なお仕事の方にも見ていただけるようになってますね。

Nバクさん

会議室で話すフジイとNバクさん。Nバクさんの顔はアイコンで隠している。

※NバクさんはYouTubeでも顔出しされていないので、お顔はアイコンで隠しています。

私が看護師として働いてきた手術室や救命センターは、だいたいの場面で患者の命がかかっている、ハイプレッシャーな職場だったんです。
だからどちらかというと、丁寧なコミュニケーションよりもアドレナリン全開で叫ぶ光景の方がよく目にする、みたいな(笑)

Nバクさん

フジイユウジ
特に急いでいる場面では、ゆっくり考え方をすり合わせるなんてことはできないからこそ、厳しい意見をぶつけ合って即時に判断するような仕事だったんですね。
スタートアップ企業もそういう厳しい面はありますが、救急医療の世界はその比ではないだろうなと想像できます。

当時は「そういう現場だから」と、私自身も納得していたんです。ほんの些細な変化も見逃してはいけないし、「穏やかに伝える」なんて言ってられない瞬間もある。
ただ、相手に厳しい基準を求めることと「攻撃」は違うんじゃないか。
Nバクとして発信しながら、いろんな組織で働く人たちの悩み相談に乗っていると、職場で発生する「攻撃的コミュニケーションの弊害」について、深く考えるようになりました。

Nバクさん

フジイユウジ
まさにここをお話したいと思ってました。
みんなが意見や主張をぶつけ合える職場は、ヌルくない良い職場と言われています。
一方で、攻撃的でも良いという話ではなくて、不機嫌な攻撃的コミュニケーションばかりの職場は、人が疲弊するだけではなく、正しいことを言う人よりも強い主張をする人だけが生き残ってしまうので、良い職場にならないんですよね。

まさにです!!
指導やアドバイスという名目で、「向いてないから辞めれば?」なんて言われて、心が折れてしまう人がいます。「邪魔だ!どけ!」と怒鳴られて、トラウマになる人もいる。
ただ、これは「攻撃する側」に一人ひとり話を聞いていく中でわかってきたことでもあるんですが、実は攻撃的コミュニケーションをとっている人の中には、「自分は必要な指摘をしている」と、使命感や正義感を持っている人がいて。
ここが興味深くて、攻撃的コミュニケーションをとる人を徹底解剖したい!と思うようになったんです。

Nバクさん

フジイユウジ
それがNバクさんがYouTube動画で話されていた「攻撃的な人を3タイプに分ける」という話につながるんですね。

動画では、職場にいる「危険人物」として、3タイプの攻撃的な人を紹介しました。
言っていることは本質的で正しいけど、とにかく言い方にトゲがある『ウニタイプ』。
ストレス発散目的で中身のない攻撃を繰り出す『スズメバチタイプ』。
良い人のふりをしてターゲットを陥れようとする『毒キノコタイプ』。

Nバクさん

【攻撃してくる人】職場で絶対に関わってはいけない3タイプの危険人物!~特性と対処法を知ろう~#40

この動画を出したとき、本当に反響がすごくて。
「今まさに、スズメバチタイプから攻撃されています!」という方からのコメントや、「私、ウニタイプかもしれません。」と攻撃している側からの相談もあったり。
いろんな立場の方からコメントや相談をいただいたので、これは業界・組織規模を問わずみんなが抱えている問題なんだと、再認識しました。

Nバクさん

攻撃的な人を3タイプに分類してみると……

フジイユウジ
まず、職場に攻撃的な人がいた場合の対処についてお話したいと思います。

私がよくお答えしているのは、まずはわかりやすい攻撃性を向けてくる『ウニ』と『スズメバチ』を見分ける方法です。
相手の発言を極限まで因数分解して、トゲ部分と中身の部分を分けてみるんです。

Nバクさん

フジイユウジ
意味のあることだけれど、言い方が厳しすぎるのが『ウニタイプ』ってことですよね。

そのとおりです!
『スズメバチタイプ』は、仕事の質を上げることではなく攻撃することそのものが目的なので、いくら言葉を因数分解しても肝心の中身が見当たりません。
このタイプの攻撃は、ともすればパワハラやモラハラにつながる可能性があるので、上司に報告するなり、物理的な距離を取るなりする必要があります。

Nバクさん

フジイユウジ
良い仕事や技術向上を目指しているから厳しくする『ウニタイプ』と違って、『スズメバチタイプ』は攻撃そのものが目的になっている。
そういう人、いるなあ。
攻撃的になることでしか自分の身を守れなくなってしまって、自己正当化し続ける悲しきモンスターですね。。。

Nバクさんのアップ写真。

次に見極めたいのは、『毒キノコタイプ』です。
彼らは一見いい人に見えて、 隠れた攻撃性(カバートアグレッション)を持っています。
ひとたびターゲットを定めると、あらぬ噂を吹聴したり、「あなたのことをみんなが悪く言ってるよ」と耳打ちしたりと、とにかく厄介な立ち振る舞いをし始めます。
この『毒キノコタイプ』を見つけたら深追いせず、できれば逃げてください。

Nバクさん

フジイユウジ
みんなと仲良くしながら、気に入らないやつをどんどん裏で陥れていくタイプですよね。
このタイプがいると、和を乱す人が消されていくから短期的には雰囲気が良くなるように見えるけど、中長期では「なんとなくみんな疲弊してる」チームになりやすいんですよね。

そうですね。
カバートアグレッション傾向がある『毒キノコタイプ』と対峙して、やっつけようとしても、逆に告発した側が悪者にされちゃうんですよ。

Nバクさん

カバートアグレッション
臨床心理学や精神医学、産業・組織心理学で研究されている概念。表面上は善意や無知を装いながら、他者を巧妙に操作・支配しようとする「隠れた攻撃性」。
カバートアグレッションは、自分が悪者にならないよう計算し、皮肉や被害者面、孤立化を使って主導権を握りにいく「積極的なコントロール」である点が特徴です。周囲に気づかれにくいため、ターゲットは「自分が悪い」と錯覚しがちとされています。

フジイユウジ
怖すぎる……
『スズメバチ』は上司に報告するなり、物理的な距離を取る。『毒キノコ』からは、とにかく逃げる。
この2つは「離れていい相手」なんですね。

はい、この2タイプからはできるだけ早く離れた方が良いです。
ただこれは、「すべての攻撃から逃げろ」と言いたいわけではなくて、『ウニタイプ』からの攻撃を「スズメバチに刺された!」と勘違いして距離をとってしまうと、自分の成長機会が失われるので、すごくもったいないんです。

Nバクさん

ススメバチを遠ざけて、ウニの中身を美味しくいただくことが大事。

フジイユウジ
ぼくの経験上、『スズメバチ』も理由をつけて攻撃してくるから、被害者側が気づきにくいというか、自分を指導してくれている『ウニ』だと勘違いしてしまう場合があると思うんですよね。

確かに。
真面目な人ほど、『スズメバチ』からの人格否定を間に受けすぎて自己否定をし始めたりするんです。
逆に、中身のある指導をされているのに「痛っ!」ってなっちゃって、『スズメバチ』呼ばわりしたくなることも(苦笑)

Nバクさん

フジイユウジ
それはそう(笑)
言われた方も「なんでそんな言い方するの」とか「怖い」という感情に支配されちゃって、冷静になれないから、余計に判断が難しいんですよね。
『スズメバチ』の言いなりになったり、『ウニ』を敬遠したりしちゃう。

刺された痛みが止まって、落ち着いてから考えるのが良いんですよね。
落ち着いてないのに「私が悪いのかもしれない」とか考えてしまうと、ネガティブな考えに支配されてしまいます。
落ち着いているときに言われた内容を振り返って「本当に自分が直すべきこと」か、それともただ理不尽なことを言われただけなのか、それを判断する必要があります。

Nバクさん

フジイユウジ
刺された直後は判断しない、と。
でも、その一回で「この人はウニだ」って決められるものなんですか?
『ウニタイプ』だとしても、機嫌が悪い日は『スズメバチ』っぽい攻撃性を出したりする気がします。
あと、なにより『スズメバチタイプ』がたまに『ウニ』っぽい良いことを言ってくるから「自分のことを考えて指導してくれているのだ」って勘違いしてしまうのもヤバいと思うんですよ。

たしかにありますね。
『ウニタイプ』も『スズメバチタイプ』的な攻撃をすることがあるし、逆もまた然りです。
だから1回の言動では決めずに、長期的に見た方がいいです。

Nバクさん

フジイユウジ
それ大事ですよねえ。
落ち着いて言われたことを考えてみたら、良い指摘もなくはないけれど、矛盾だらけだったり、「自分が気に入る」かで判断していたりする。
どう見ても『スズメバチ』が理不尽なこと言ってるだけなのに「横暴に見えるかもしれないけど、私のミスを指摘してくれている人なんですよ」って、被害者が『スズメバチ』擁護してることすらあるもんなあ。

ウニから逃げ続けると、地獄の日が終わらない

フジイユウジ
それにしても『ウニタイプ』って命名がめっちゃ良いですね(笑)
トゲがあるけど、中身をちゃんといただくと美味しい!

ウニは美味しいですからね(笑)
『ウニ』って、外側はトゲだらけで触ろうとも思わないけど、割ってみるとめちゃくちゃ価値のある高級食材が入ってる。
良い仕事をするための中身があるのが『ウニ』なんですよ。

Nバクさん

Nバクさんの横からの写真。

でも『ウニ』を投げつけられた新人からすると、トゲが刺さって終わりだから、ただのイヤな人にしか見えないんです。

Nバクさん

フジイユウジ
経験を積んだ人には「言い方がきついだけで、言ってることは正しいんだよな」って見えるやつですね。
ただ『ウニ』を投げてる方も、「正しいこと言ってるんだから、それを受け止めるべきでは」ってなってることも多い。

そうなんです。
「中身が正しければ伝え方が厳しくても良い」っていうのは、トゲを投げつける側の勝手なロジックなんですよね。

Nバクさん

フジイユウジ
うっ……
思わず、反省してしまいます。。。

受ける側は、痛い思いをした瞬間に食べる気がなくなるし、思考も止まる。
「嫌われた」「排除されようとしてる」って萎縮しちゃう。正しければ正しいほど攻撃力が増して、深く刺さる。
『ウニ』を100個投げつけられて、血だらけの新人さんが量産されていくんです。

Nバクさん

フジイユウジ
その刺された新人さんが中堅になるころには、自分の身を守るための攻撃性が高まった『スズメバチ』になってしまう場合ってありますよね。
スズメバチは、攻撃されることで生まれてるんだ……

ありますあります。
攻撃性が高い人が、他の人も攻撃的にしちゃうことが多いので。

Nバクさん

苦手なウニと、チームになる

フジイユウジ
『ウニタイプ』と上手く付き合う方法を知りたいですよね。
我慢だけしてると『ウニ』を投げつけられて、血だらけになっちゃう。

『ウニタイプ』と『スズメバチタイプ』を見分けられるようになったら、あとは観察することだと思います。
「あの人はこういう理由でああいう言い方をしてるんだ」と見えてさえいれば、攻撃そのもののダメージが減るんです。

Nバクさん

Nバクさんの横からの写真。手を顔に当てて話している。

たとえば医療現場でよくあるウニ的発言で、「(患者さんの)どこをみてたの?」「なんで〇〇したの?!」という詰問フレーズがあるんですが(笑)
この詰問に臆することなく、自分なりの考えをしっかり述べられる新人のことを、ウニ的先輩は「お、骨があるな」と思ったりします。

Nバクさん

フジイユウジ
よくある詰問フレーズ(笑)

最初はなかなか難しいかもしれません。
でも、少しずつ『ウニタイプ』の言葉を因数分解して、トゲ部分に注目するんじゃなくて「美味しい中身」を食べられるようになったら…
職場にはびこる攻撃的コミュニケーションの捉え方が、何段階もアップデートすると思うんですよね。
私が長年働いた手術室で一番学んだことは、ウニの取り出し方と食べ方かもしれません(笑)

Nバクさん

「話の通じるやつとチームを組む」のを理想だと思ってはいけない。

フジイユウジ
とはいえ、ですよ。
「話の通じるやつとチームを組む」のが理想だと思ってる人ってめちゃくちゃ多いじゃないですか。
そういう人って、自分と合わない人の話してる中身まで踏み込んで成功体験を積むなんて、やらないんですよね。感覚的に距離を置いてしまうので。

めっちゃわかります。確かにそうなんですよね。
ただ、気が合う人と阿吽の呼吸で良い仕事ができる理想的な職場環境ばかりじゃないのが世の常なので、苦手な人とか合わない人とうまくやれるスキルが身につけば、トータルでハッピーな日が増えて、良い顔して働く人が増えるんじゃないかなって。

Nバクさん

真剣に話すNバクさん。

フジイユウジ
うおおおおお
この話、めちゃくちゃ良くないですか?
気の合う人と楽しんで動けるのは当たり前。
だからこそ、苦手な人と楽しめる技術のほうが、人生の「いい日」を増やしてくれる。

看護師って、シフト表をチェックしては「この日は〇〇さんと組むから楽しく働けそう、この日は□□さんがいるから地獄」って言うんですよ。
でも、そればかり気にして働くとツラいんですよね。
「地獄のほうが多くないですか?」って聞くと、みんな「たしかに……」って言うんで(笑)

Nバクさん

フジイユウジ
地獄のほうが多い(笑)

仲良くできる、気の合った人と働けることなんて圧倒的に少ないのが現実なんです。
『スズメバチ』や『毒キノコ』なら距離を置く方が良いけれど、『ウニ』に対しても距離を置いたり短時間で終わらせたりしてしまうと、地獄に耐えるだけの日々になるんです。
自分の日常をハッピーにしたいなら、苦手な人に一歩踏み出すテクニックを知っておくほうが、ずっといいじゃないですか。

Nバクさん

フジイユウジ
そう考えると、「阿吽の呼吸で動くチーム」とか「話の通じるやつとチームを組む」という理想があるせいで、踏み込めなくなるのかもしれませんね。
話の通じる、自分に合う人と働くことばかり考えているせいで、むしろトゲの痛みを感じてしまうというか。

相手のことが『ウニ』だと分かれば、相手の表現にあるトゲは無視して、美味しい中身を取り出してみる。
そして、その中身を「これ美味しいですよね」って言えるようになれば、『ウニタイプ』の人とも仲間になることができるんです。

Nバクさん

まとめ:気の重くなる日を減らしてハッピーを増やす。

苦手なあの人も、割ってみれば中身のあるウニかもしれません。

気の合う人とだけの世界に閉じこもるか、トゲの奥の中身に手を伸ばすか——その選び方ひとつで、あなたの「いい日」はきっと増えていきます。

  • 攻撃的な人は、まず3タイプに分ける
    攻撃そのものが目的の『スズメバチ』と、善意を装って裏で刺す『毒キノコ』からは、逃げるべき。
  • ウニかどうかは、刺された直後に決めない
    痛みの最中は、誰でも冷静には判断できません。落ち着いて、一度きりではなく長い目で見る。「言い方はキツいけれど、言っていることは正しい」と思えたなら、その人はあなたの仕事を伸ばすウニかもしれません。
  • 苦手な人と働く技術が、「いい日」を増やす
    現実は、気の合う人と組める日のほうが少ない。シフト表を見て「この日は地獄」と数えるより、トゲではなく中身を見て「これ、いいですね」と言えたとき、地獄だった時間が変わるキッカケになります。

関連リンク

NバクさんYouTubeチャンネル

Nバクさんnote

書籍 Nバク流 ヒューマンスキル戦略

(企画・編集:フジイユウジ / 取材・文・撮影:奥川 隼彦)取材:2026年3月

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